日本の給料はなぜ少なく見える?控除と税金の仕組みをわかりやすく解説

日本で働き始めた外国人が最初に驚くことの一つが、「給料が思ったより少ない」ということです。

実は、手取りが少なくなる理由の多くは税金ではなく、年金や健康保険などの社会保険料が給料から差し引かれているためです。

このページでは、日本の給与明細の見方や、「20.42%」という税率の意味、居住者・非居住者の違いについて初心者向けに解説します。

このページの内容

① 給料が少なく見える理由

日本では、会社から支給される「総支給額」と、実際に受け取る「手取り額」が大きく異なります。

そのため、初めて日本で働く人は「給料が少ない」と感じることがあります。

しかし、その多くは法律で定められた控除であり、会社が自由に引いているわけではありません。

② 給料から引かれるもの

給料から差し引かれる主な項目は次の4つです。

項目 内容
厚生年金 将来の年金のために支払う保険料
健康保険 病院の医療費負担を軽くするための保険
雇用保険 失業した場合などの生活を支える保険
所得税 国へ納める税金

実際には、税金よりも厚生年金や健康保険の負担が大きいケースが多くあります。

③ 「20.42%」とは?

給与明細に「20.42%」という税率が表示されていると、不安になる人も多いでしょう。

通常の会社員 20.42%になる場合
所得に応じて税率が決まる 非居住者として扱われている場合

通常、日本で働く会社員が最初から20.42%の所得税になることはほとんどありません。

20.42%が適用されている場合は、非居住者として処理されている可能性があります。

④ 居住者と非居住者の違い

日本の所得税では、国籍ではなく、生活の拠点や滞在期間などによって「居住者」と「非居住者」に分けられます。

区分 基本的な考え方 給与にかかる所得税
居住者 日本に住所がある、または日本で継続して生活している人 所得や扶養状況などに応じて計算される
非居住者 日本に生活の拠点がなく、短期間だけ滞在している人など 原則として給与に20.42%が源泉徴収される

外国人だから自動的に非居住者になるわけではありません。

日本で継続して働き、住居を持って生活している場合は、居住者として扱われることが一般的です。

ただし、実際の判定は在留資格だけではなく、契約期間や生活状況などを含めて判断されます。

⑤ 確認するポイント

給料の手取りや所得税に疑問がある場合は、まず給与明細を確認しましょう。

確認すること 確認内容
総支給額 基本給、残業代、各種手当を含めた支給額
社会保険料 厚生年金、健康保険、雇用保険の金額
所得税 通常の計算か、20.42%で計算されているか
居住者区分 会社で居住者・非居住者のどちらとして登録されているか
住民税 前年の所得に基づく住民税が引かれているか

特に所得税が総支給額の約20%になっている場合は、会社の給与担当者や人事担当者へ確認してください。

質問するときは、次のように伝えると分かりやすいです。

給与明細の所得税が20.42%になっています。私は居住者と非居住者のどちらとして処理されていますか?

計算が間違っていると決めつけず、まず現在の登録状況と計算方法を確認することが大切です。

⑥ よくある質問

Q.給料からたくさん引かれているのは、税金が高いからですか?

税金だけが原因ではありません。厚生年金や健康保険などの社会保険料が大きな割合を占めることがあります。

Q.総支給額と手取り額は何が違いますか?

総支給額は、基本給や残業代、手当などを含む支給前の金額です。そこから社会保険料や税金などを引いたものが手取り額です。

Q.所得税が20.42%なら、会社の計算ミスですか?

必ずしも計算ミスとは限りません。非居住者として処理されている場合は、原則として20.42%が源泉徴収されます。会社へ登録状況を確認してください。

Q.外国人は全員、非居住者になりますか?

いいえ。国籍ではなく、日本での住所、生活の拠点、滞在期間などによって判断されます。

Q.非居住者から居住者へ変更するには申請が必要ですか?

本人が自由に選んで変更するものではありません。日本での生活実態や契約状況をもとに判断されるため、会社の担当者へ確認してください。

Q.2年目から手取りが減ることはありますか?

あります。前年の所得に応じた住民税が、通常は翌年から給与天引きされるためです。

⑦ まとめ

日本の給料が思ったより少なく見えるのは、所得税だけでなく、厚生年金や健康保険なども差し引かれているためです。

  • 総支給額から社会保険料や税金が引かれて手取り額になる
  • 負担が大きく見える原因は、厚生年金や健康保険であることも多い
  • 20.42%は主に非居住者の給与に適用される税率
  • 外国人でも、日本で生活していれば居住者になることがある
  • 不明な場合は給与明細を確認し、会社の担当者へ質問する

まずは給与明細を見て、何がいくら引かれているのかを確認しましょう。

所得税が20.42%になっている場合は、自分が居住者と非居住者のどちらとして処理されているかを確認することが重要です。